t-products Architect's Office

2015.06.13

電子が踊る!

先週の訪問先で、ひょんなことから「圧電」という研究の話しになりました。
その現象を説明する、ということでご主人が家の奥から出してきたのが「水晶振動子」「水晶発振子」なるものでした。

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美しい。
工芸品の様です。
奥さんが、昔女工さんが一個づつ作っていたのかしらねぇ、と一言。
そうかもしれない。

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圧電というのは、圧力を加えると電気を発生する現象で、その逆現象を利用したこれらの物体が「水晶振動子」という事でした。(唸るばかり、、)水晶に電圧を加えると伸び縮みのゆがみが起こり、その周期を利用して精密機器に使われる、ということです。水晶は振動が最も安定しているそうで、その周波を利用するそうです。(とにかく、詳しくはネットで検索して下さい。素人のうろ覚えで書いています)

で、無知な人間が質問しました。
「このなかは真空なのですか?」「そうです。」「なんで真空なんですか?」(なんたる無知人間、、)

「真空の中でないと電子が踊らないからです。」

「このガラスの中では電子が踊ってるんですか??!」

「そうなんです!(にっこり)」

感激です。わからないけど感動しました。多分少しだけ自然の摂理を知った気がし、単に「踊る」という図像をイメージして嬉しくなりました。当然物欲しげな顔になっていたに違いない。

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ということで、1つ振動子を頂く運びとなりました。
帰ってwebサーチをして、これがクォーツと知りました、。
そして、現代の水晶振動子の写真をみて、愕然としました。

hc49u_6mhz

私が魅了されたのは、これじゃぁ無い、。
確かに小型化されているが、「踊っている」感じがしない、。
技術の恩恵は確かに受けている私ですが、
「真空空間を見てイメージすること」が失われてしまった、という衝撃がありました。
改めて、技術の進歩について敬意を表しまして、その初期のルーツを垣間見られたことは有り難い事です。

気を取り直して、
他にも頂いてしまいました。(ありがとうございます)
アンプ用真空管、その他の面々。

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下の写真は、真空が切れて使えなくなった物です。
ビリケンの様な形、内部の配線の造形、よくもまあ作ったなぁ、と見ていて飽きません。

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私はこれを活かせるアンプを持っていません。
良さの1割も知らない者です。
ただただ眺めるだけですが
とても嬉しいです。

長文お付き合い、有り難うございました。

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