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2018.12.21

間窓の家

「間窓の家」
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間と間のあいだの窓

ここに住む人は、愛着のある版画の額や物品を沢山集めていました。
今回の家造りは、人の居る場所づくりと飾る壁づくりからスタートしました。

額や物を飾るには、その背景となる壁や余白を多く用意することにしました。
アルバムの台紙、ページを増やす様に、間仕切り壁を作りました。
部屋を廻ることは、ページをめくることと似ていて、ページそれぞれのシーンがあり、
次のシーンへの切り替えや予感させる展開になると良いと思いました。

一方、暮らしの間仕切りは、使い勝手に合わせて間仕切ると共に、
家族それぞれの気配を共有できる、空気が通う一つの家にすることが、
お施主さんの住み方に丁度良いと思われました。

間仕切り壁に窓を付けました。

人影が見えるかもしれない。
呼べば答えが返ってくるかもしれない。
向こうの部屋に飾った絵が見えるかもしれない。
日光が思わぬところに陽を落とすかもしれない。
あちらの灯りが、この部屋に暖かく漏れるかもしれない。

今居る場所から、次の間に広がる連続感を持ち合わせた
余韻のある空間を目指して設計しました。

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所在地 長野県松本市
主用途 住居
構造 木造(在来工法)
規模 2階建て
設計期間 2016年9月~2018年3月
工事期間 2018年4月~2018年11月
建築設計 ティー・プロダクツ建築設計事務所 谷口智子
構造設計 KMC 蒲池健
施工者 株式会社エムエーシー 百瀬衛貴男 小笠原香織
写真撮影 安田誠建築写真事務所

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